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2015年6月 3日 (水曜日)

ラヴ・レターズ

LOVE LETTERS 2015 25th Anniversary 2015年6月3日(水曜)~2015年6月7日(日曜)
PARCO劇場

作:A.R.ガーニー/訳・演出:青井陽治
出演:浦井健治×中嶋朋子
LOVE LETTERS表LOVE LETTERS裏Pの棒をぴーっと長く書きます。なんて、最初から言葉に魅力が溢れていた。
浦井くんは一本白いラインの入った、一般人にはとても着こなせない黒いスーツ。すらっとしていて素敵。中嶋朋子さんの七色の不思議な音色の声には癒される。上手い。そして浦井くんの柔らかな声と柔らかな笑顔は、望んでいたもの。

一度だけだし、と集中して聴こうと思ってはいたけど、脳の性能が落ちているので、言葉はだいぶこぼれ落ちている。他の方の感想やレポなどで補完しながらの取りとめのないメモ

アフタートークでは、短時間の間にアンディーとメリッサから戻るのは大変だと思いますけど…という司会者さんの言葉に、浦井くんは間髪入れずに戻れないですと言っていた。マネージャーさんにアフタートークをお願いしたら、すぐに素に戻れるタイプだから大丈夫という答えが返ってきた、と聞かされて、崩れ落ちるように笑った。
PARCO劇場看板

アンディーは8歳から55歳までだけど、あらすじもよく調べなかったし、子どもを演じているようにも聴こえなかったから、年齢設定などはまったく考えないまま観ていた。浦井くんも子どもを演じているというふうではなかったし。

でも浦井アンディーは序盤、もぞもぞとずっと動き続け、落ち着きのない子どものようだった。声はしっかりしているのに。
目線は手に持った本から外れることはなく、終始うつむき加減ではあったけど、メリッサが手紙を読んでいるのを聴きながら、微笑んだり、怒ったり、目をくるくるさせていて表情豊か。メリッサも情緒的でもあり冷めた目をしていたり。ただ朗読を聴いただけではなく、濃厚なお芝居を観た気分になった。

アフタートークで中嶋朋子さんが、若々しい浦井くんも王子さまな浦井くんも王様な浦井くんにも会っているけど…なんだったか。味あわせてもらっているから安心していたけれど、第一声はそのどれでもないアンディーが全然別のところからやって来た。8歳でもなく、55歳でもなく、どこから来たの?と。
スタート位置に私も少し戸惑った。朋子さんはそれで自由に羽ばたけるメリッサをプレゼントされたと言う。なるほど。浦井くんは、迷子ですか?なんて反応してたっけ。
朋子さんは褒めてくれたけど、それって、なんかキャラが定まってなかったってこと? と思ったのは内緒だ。年齢を超越してたとか。
作戦?
と言われて、身体を斜めに傾けて、僕に作戦はないです…と返して爆笑を呼んでいた。

青井さんのアンディー評? 朋子さんのメリッサは寂しい。寂しい嵐?に振り回されていた浦井さん。「寂しい嵐」ってすごいなー。
浦井さんは繊細で感じやすい俳優さんだけど、アンディーはスイートでゴージャスな鈍感の塊。その後の話の展開の記憶が飛んでいるけど、言葉のチョイスが素敵。けんちゃんのことが鈍感だと言っているわけじゃないよ、というフォロー。そうだね、けんちゃんは鈍感じゃないけど、言葉は似合っている。そしてそして、けんちゃんって呼ばれた!

扁桃腺を切る、というのに引っかかった。え、切った?とちょっと驚いたのだけど、日本でも別に珍しいことじゃないのだね。アフタートークで青井さんが、アメリカ人ならそれが10歳だとわかる、と解説していて、そーなんだ、10歳にみんな切っちゃう習慣があるのかー??

作家さんや演出家さんが参加するアフタートークは興味深い。本来は公演を観て自分が感じたことがすべてだけど、演出をした人の解説は面白い。
浦井くんの言葉はちょっとわからないところもあるけど(笑)、感覚的に伝えようとすると、イメージが広がる。空間の壁がなくなる感覚、と言っていた。観客との関係性の話から派生したような気がするのだけど、違ったかな。壁が取り払われるのはだから、えー? 舞台と客席の間に、壁があるのか!? と、そこに驚いた。
そういうことではなくて、劇場というハコのことに話が飛んだのか?

朋子さんは、お客様のなかにいろんなアンディーとメリッサが浮かんでいるのがわかると、それってどんな感覚なんだろう。アンディーとメリッサが朗読を聴いている間、私の中にも、ただ朗読しているだけではない、想像の中のアンディーとメリッサがいた気がする。

お稽古の前に4〜6時間で演出の青井さんからレクチャーを受けるのだとか。話を聞いているだけなのにお腹がペッコペコになったというの印象的だった。チョコレートに手を伸ばしたって流れはなんだったかな。おやつにあったのね。
そのレクチャーが終わって、さぁ、読んでとなったとき、うわぁーということになったとか。(この辺の記憶が定かではない)
青井さんのそのレクチャーを、本当はお客様にも聴いていただきたい、という司会者さんの言葉に場内盛り上がった。ほんとに聴いてみたいくらい、実のあるお話のようで面白そう。でもお腹がすいてしまう…

物語が進んで行くに連れ、意識的に浦井くんを見ていようとしていたのに、いつの間にかメリッサを見ている自分に気付く。メリッサ目線でアンディーな浦井くんを見ていて、アンディーの環境が変わるたびに、ひゃー、ケッコンしちゃったー、子どもが生まれたー、三人も息子がーー(>_<) 孫までできたー( ̄◇ ̄;) とかってなってドキドキしたりして。
愛する人が幸せになるのを見ている不幸な私。みたいなw
ああああー完璧な妻と優秀なその子どもになんて興味ないの。
時折、幸せを送り付けてきたのは、アンディーじゃなくてジェーンの確信犯的行為なのでは? 私=メリッサを惨めな気持ちにさせるために。
妻からしたら、何十年も夫の心にいる文通相手なんて嫌じゃない?

一幕終盤頃だったか、メリッサのことを、「僕の肩越しに別の人を見ている」と。アンディーは核心を突くようなことを書いておいて、すぐにそれを和らげるように別のことを語った。
メリッサは、手紙のやりとりが自分たちを乖離させている原因なのだと既に解っている。手紙の中のあなたしか知らない。だから、あなたの肩越しに別のあなたを探してしまう。手紙が私たちを混乱させている。そんなことをメリッサが言っていた。
それこそが、この物語がラヴ・レターであるということの意味なのかもしれないとも思った。
アンディーが「手紙」を求めていて、電話で話したい会いたいと言うのはメリッサの方なのに、彼女の方が常に手紙の中の世界にいて、手紙の中のアンディーに恋していて、手紙の中で作り上げたメリッサのアンディー中心に生きている。

自由奔放で感覚人間で寂しいメリッサ。アンディーに恋しているのに、心にもないことを言ったり書いてしまって(朋子さんが言っていた、ずっとアンディーの言葉を聴いていたいけれど、ときどきちょっかいを出したくなるって、そういうことかな)、ボタンをかけ違ってしまう。メリッサが結婚したのもアンディーに受け入れられなかったからだし。

一方のアンディーにとっては、手紙は現実の中の一部でしかない。アンディーは現実のメリッサを求めていて、手紙が繋ぎ、現実にも会っているのに、二人の世界は交わらない。

交差しているようで同じ方向は見てない二人。メリッサはアンディーに会いたくて会いたくて会いたくて、恋しくて恋しくて。でもやっと結ばれたとき、幸福と不幸は同時にやってきた。手紙の中に現れるアンディーの家族は、現実でもあり、虚構のようにも思えるし、終盤に訪れる急激でスリリングな展開こそがメリッサの夢のようでもあり。
ジェーンの名前なんて見たくないの。選挙なんてー
あなたなしではいられない。あなたが欲しい。もっと欲しい。会いたくてたまらない。
(そんなことは言ってないけれど)
そして手紙が途絶える。ずるい男。
彼にもメリッサの手紙が必要で、会いたいとも思うのに、確立した自分の生活は崩せない。そのまま終わりにするのでもなく、また、アンディーはメリッサに手紙を綴る。会いたいと。

メリッサの最後の手紙の、来ないで(来て)、姿を消します(さびしい)、この世から消えます(会いたい)と、叫び声のように耳についた。

アンディーの最後の手紙の読み方によって、読後感は変わるんだろうなぁ。メリッサは自ら死を選んだように思えたし、それをアンディーはどう受けて、愛している、愛していたと最後に語るのか。アンディーの本音とは? メリッサの死から、最後の手紙に至るまでの経緯や心境は語られなかったけれど。



絶望的に彼女を懐かしんでいます。

ありがとう、アンディー




ラストはせつないけども、悲しくはなくて、演者のお二人が幸せだったと口にしたのも理解できる、幸せな空間でもあった。

カーテンコールでは浦井くんが朋子さんをエスコート、というよりも幼馴染の2人が仲良く手を繋いで帰って行くようで可愛らしかった(*^^*)
繋がっていたのは手ではなく、たくさんの言葉で紡がれた、たくさんの手紙だったけれど、そういうのもいいね。

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